鬼手長海老
〜オニテナガエビ〜
(学名:Macrobrachium rosenbergii)
鬼手長海老(学名:Macrobrachium rosenbergii)は、東南アジアを中心に生息する大型の淡水エビです。長く発達したハサミが特徴で、その姿が「鬼の手のように見える」ことから、この名で呼ばれています。
成長過程では20〜30回の脱皮を繰り返し、オスは体長30cmを超えることもあります。幼体は透明に近く、成長につれて青みを帯びた色合いに変化するなど、成長段階による外観の違いも魅力のひとつです。
性質は比較的おとなしいものの、オス同士は縄張り意識が強く、ハサミを使って小競り合いをする姿が見られます。雑食性で、自然界では小型生物や植物片、有機物などを食べます。当社施設では、適切な管理のもとで栄養バランスを考慮した餌を与え、健康的な飼育を行っています。
鬼手長海老はその成長の過程や生態が非常に興味深く、観察学習にも適した生き物です。当社では、餌やり体験や生態観察を通じて、子どもから大人まで幅広い方に魅力を伝えていきます。



【オニテナガエビの養殖について】
当社では、オニテナガエビ(Macrobrachium rosenbergii)の生態に適した環境づくりと、適切な管理体制のもとで養殖を行っています。以下に、養殖の主要なポイントを整理してご紹介します。
1. 飼育環境の基本条件
オニテナガエビは環境変化に敏感なため、安定した水質管理が重要です。
- 水温: 24〜30℃
- pH: 7.0〜8.5
- 水質: 清浄な淡水(濁りの少ない環境が望ましい)
- 水深: 約0.8〜1.5m
これらの条件を維持することで、健康的な成長を促すことができます。
2. 養殖の流れ
● 親エビの確保
成熟した雌雄の個体を選別し、春〜夏の産卵期に合わせて繁殖管理を行います。
● 稚エビの生産
ふ化後の幼生期は特にデリケートです。
以下の2点が生育の鍵となります。
- 適切な餌の供給
- 水質管理の徹底
3. 本養成
稚エビの成長が進んだ後は、本養成の段階へ移行します。
- 適切な飼育密度の確保
- 定期的な給餌と飼育状況の観察
- 水質のモニタリング
- 病気予防の実施
これらを継続することで、より安定した生育が可能となります。
4. 給餌について
オニテナガエビは雑食性であり、さまざまな餌を摂取します。
- 配合飼料
- 生餌(ミミズ・小魚など)
- 野菜類
バランスよく与えることで、成長や脱皮のリズムを整えることができます。
5. 養殖における注意点
健康で良質なエビを育てるため、以下の点に注意しています。
- 共食いの防止(隠れ家の設置・密度管理)
- 適切な水質維持
- 疾病対策の徹底
- 最適な収穫時期の判断
6. 成長期間
環境や飼育管理によって差はありますが、一般的に出荷サイズまで約6〜12ヶ月を要します。
【オニテナガエビ養殖の主な課題】
オニテナガエビの養殖は高い需要がある一方で、安定した生産のためには専門的な管理が求められます。
1. 繊細な水質管理
オニテナガエビは水質変化に非常に敏感で、わずかな環境の乱れが成育に影響を及ぼします。
- 頻繁な水質チェックが必要
- pH・溶存酸素・アンモニア濃度などの管理精度が求められる
- 浄化システムの安定運用が重要
2. 幼生期の管理の難しさ
ふ化直後の幼生は特に弱く、生存率が低い時期です。
- 細かな餌の調整が必要
- 水温や塩分濃度などの管理が繊細
- 初期段階の育成が全体の生産量を大きく左右する
3. 共食いの発生
ストレスや過密飼育によって共食いが起こりやすく、生産ロスにつながります。
- 隠れ場所の設置が有効
- 飼育密度の適切な調整が必要
- ストレス要因(急な環境変化・餌不足など)の軽減が重要
4. 病気への脆弱性
オニテナガエビはさまざまな疾病にかかりやすく、治療が難しいケースも存在します。
- 日々の観察による早期発見が重要
- 水質悪化や過密飼育は病気の原因に
- 予防管理の徹底が、安定した生産に直結する
5. コスト面の課題
継続的な養殖のためには、一定の設備投資と運用コストが必要です。
- 水槽・浄化装置・加温システムなど初期投資が必要
- 餌代や電気代などのランニングコストがかかる
- 高品質飼育を維持するための設備メンテナンスも必須


